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2008年12月

『アドレナリンの匂う女』

 たまにはミステリも。

 「アドレナリンがブッと出たぜ」という名セリフは泉昌之の傑作マンガ『新さん』(新潮文庫)の登場シーンですが、これもまた名タイトルだと思います。

『アドレナリンの匂う女』 ジェイムズ・M・ケイン・作/宇野利泰・訳 創元推理文庫174-1

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 ジェイムズ・ケインというと『郵便配達は二度ベルを鳴らす』が有名ですが、このお話はあのお話とは微妙にパラレルで、『郵便…』では主人公がろくでなしで魔性の人妻と共謀して旦那を殺すお話ですが、こちらは主人公が人生の成功者でやはり魔性の人妻と…というお話。
 気になるタイトルは「The Magician's Wife」。匂う女の亭主が奇術師なのですね。

 表紙絵は岡部孝之氏。微妙に手抜きな感じがいい味出しています。でもピンチの時に出るホルモンのアドレナリンってどんな匂いなのでしょうか…やはり凄いタイトルです。

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『ブロンズの男』

 昔のハヤカワSFにはファンタジイだけでなく、ハヤカワNVに入りそうな冒険モノもありました(リアリティが薄いからSFに入れられたのでは…)。
 そんな中でかなりトンデモな伝説のスーパー娯楽アクションがこれです。

 『ブロンズの男』 ケネス・ロブスン・作/野田昌宏・訳 ハヤカワ文庫SF168

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 正義を愛し超人的な知力体力財力を持ち、スペシャリストの5人の仲間と一緒に巨悪とと闘うスーパーヒーロー。それがこのシリーズの主人公ドック・サヴェジです。1930年代のアメリカの「Doc Savage Magazine」に連載された全181篇のうちの1番目のものがこの本。  多くの人の尊敬を受けていたドックの父親の死の謎から古代マヤ文明の黄金までの冒険を、破天荒な無敵さで走り抜ける痛快な作品です。

 表紙絵はバロン・吉本氏。カラー口絵はカラフルで突っ込み所満載の傑作です。本文も挿画に負けない野田氏の名訳です。

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『階層宇宙の創造者』

洋服箪笥の向こうに魔法の国があったのはナルニア国物語ですが、このお話は地下室の押入れの向こうの別世界です。

 『階層宇宙の創造者』 フィリップ・ホセ・ファーマー・作/浅倉久志・訳 ハヤカワ文庫SF133

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 60年代テイストムンムンのマスカラバッチリのサイケ美女は深井国氏。ハヤカワミステリのガードナーの表紙絵の方が有名ですね。
 ハノイの塔のような円盤が積まれた階層世界を上へ上へとヒロイン救出の為進んでいくというファンタジックな冒険モノ<階層宇宙シリーズ>の第1弾です。

 挿画のシルエットも古びていてグッとくきます。

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『スター・キング』

 レトロ・フューチャーな作品でオシャレなのはやっぱり真鍋博氏です。

 『スター・キング』 エドモンド・ハミルトン・作/井上一夫・訳 創元推理文庫SF637-1

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 左上の未来都市っぽい六角形とか伸びた人のシルエットにサイケなペイント、波打つ背景…すごく60年代な感じがします。個人的にはかなり上位にある表紙絵です。

 保険会社の社員が20万光年の彼方の銀河帝国の王子と精神が入れ替わって、宇宙の平和の為に活躍するという、ものすごく都合のいいスペースオペラです。
 これには続編があって、表紙は昔の創元文庫にありがちな配色変えですが(背景の星とかがちょっと違っていますが…)、これもまたいい感じです。

 『スター・キングへの帰還』 エドモンド・ハミルトン・作/井上一夫・訳 創元推理文庫SF842

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『妖魔の潜む沼』

 昔の創元推理文庫の背にはジャンルをあらわすマークがありました。推理小説は、「本格推理」、「スリラー、サスペンス」、「法廷物、倒叙、その他」等、様々な分類がありました。
 でも
SFは「SF」のみ。ファンタジイというのはなく、それらは「怪奇と冒険」というものと「SF」とにまたがって入っていました。分類は内容よりも主に作家に合わせてされていたようです。そんなわけで、SF作家がファンタジイを書いても「SF」に入ってくることになります。

 これもそんな作品です。

 『妖魔の潜む沼』 クリフォード・D・シマック・作/冬川亘・訳 創元推理文庫676-2

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 妖魔の軍勢が地上を跋扈するパラレルワールドの20世紀のブリタニアで、イエズスの実在を証明するかもしれない書簡が見つかる。これの真偽を確かめるため名門の子息が相棒を連れて危険な旅をする…といった剣と魔法と怪物のお話です。オチにかすかにSFっぽさがありますが、ほぼ純然なファンタジイです。

 表紙絵は若菜等氏。配色や構図はすごく決まっていますが、どことなくチープな香りがします。それはやはり美女のお約束の服装でしょうか。
 本文には「その女性は革の半ズボンに革ジャケットといういでたちで、のどもとに白いスカーフを巻いていた。右手には戦さ斧をもち、その刃が陽光にきらきらと輝いていた」とあります。
 …どうでしょう。

 原題は「The Fellowship of  the Talisman」。妖魔の潜む「沼」は終りの方に出てくるだけです。

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『第五惑星から来た4人』

 創元推理文庫の昔の作品は、ヘタウマと前衛との間を行く結構多いきわどい表紙が多かったと思います。

 『第五惑星から来た4人』 マレー・ラインスター・作/小西宏・訳 創元推理文庫713

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 いわゆる「レトロ・フューチャー」な絵ですね。創元の大御所、金子三蔵氏の作品です。ウミウシみたいで柔らかそうな円盤に不思議な魅力を感じます。

 米ソ冷戦の激化の中、南極に着陸した宇宙船には高度な文明を持つ世界から来た4人の少年少女が乗っていた。彼らは、今は小惑星群と化している火星と木星との間にあった第五惑星から時空を超えてやってきたのだという…といった内容です。
 
ファーストコンタクトをしたエイリアンが実は人間そっくりだったという事態が世の中にどういう影響を及ぼすか(最近リメイクされた「地球が静止する日」もそうですね)という点ではちょっと面白い話です。その目的やオチは別としてですが。

 

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『銀河のさすらいびと』

 ハヤカワSF文庫はここ数年は絶版になっていた名作を新装版でいくつも出していますが、これも初版から30年の時を経て新装版が出た作品です。

 『銀河のさすらいびと』 キース・ローマー・作/伊藤典夫・訳 ハヤカワ文庫SF1527

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 死にかかった地球人の若者(ビリイ・デンジャー)が人間型の異星人に助けられ下僕として仕えるが、その主人が死に、主人と一緒にいた女性(レア姫)が奇怪な異星人にさらわれてしまう。ビリーはその女性を助けることを誓い、何年もかけて銀河をめぐりレア姫を探してゆく…といったお話ですが、このお話では主人公がホントにひどい目に遭います。しかもヒロインも。
 ライトノベルブームに合わせて、スペオペをアニメっぽい装丁で出し直したというところですが、ハッピーエンドでありながら、途中はさっぱりライトではないです(痛くて主人公に入り込めないという意味で)。
 表紙絵はイラストがエナミカツミ氏。最近この方のイラストがハヤカワSFやハヤカワFTに多く見られます。旧版のカバーを参考に描かれたようです。ちなみに旧版はハヤカワSF134です。

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 並べてみてお分かりと思われますが、ネコが大きいのは遠近法ではなく、大型のネコなのですね。『夏への扉』ほど有名ではないですが、これもネコが出てくるSFの一冊です。ネコの名前はユリーカです。
 旧版のカバー絵・挿画は金森達氏。スタートレックの絵が有名ですね。色々な乗り物や異星人が出てくるので、旧版の挿画はなかなか読む助けになります。

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『妖魔の騎士』

 80年代の少女マンガのファンタジックな表紙や挿画によく登場していたマンガ家は…

『妖魔の騎士』 フィリス・アイゼンシュタイン・作/井辻朱美・訳 ハヤカワFT55・56

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 めるへんめーかーさんですね。

 自分はこの方の漫画を読んだことは無いのですが、当時目にした本ではよく繊細な線のイラストを見たものでした。ハヤカワFTには他にもこの方の表紙がものがいくつかあります。
 うちの奥さんはコバルト文庫の『丘の家のミッキー』の挿絵で知っていました。最近はどうなさっているのでしょうね。HPはしばらく更新されないままのようでした。

http://www.wondergarden.jp/mar/

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 お話は、魔法使いがライバルの魔女に、自分のしもべの妖魔を使って子どもを孕ませ、大きくなったその子どもが自分の父親を探しに旅に出るというもの。主人公のクレイの使える魔法が、蜘蛛(の糸)を操る魔法であるところが面白いです。

 クレイのお話には続編(『氷の城の乙女』)がありますが、表紙はこちらの方が好きです。

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本日の新入荷(12/20)

◇古書うさぎ堂 12月20日の新入荷◇

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★ハヤカワ文庫FTを21点入荷しました★

<ベルガリアード物語> デイヴィッド・エディングズ
・『予言の守護者』 
・『蛇神の女王』 
・『竜神の高僧』 
・『魔術師の城塞』 
・『勝負の終り』

<魔術師ベルガラス> デイヴィッド&リー・エディングズ
・『銀狼の花嫁』 
・『魔術師の娘』 
・『王座の血脈』 
 

<女魔術師ポルガラ> デイヴィッド&リー・エディングズ
・『運命の姉妹』 
・『貴婦人の薔薇』 
・『純白の梟』 

<エレニア紀> デイヴィッド・エディングズ
・『眠れる女王』 
・『水晶の秘術』 
・『四つの騎士団』

・『永遠の怪物』 
・『聖都への旅路』 
・『神々の約束』
 

・『死せる魔女がゆく 上・下』キム・ハリスン 
・『霜の中の顔』 ジョン・べレアーズ 
・『ホムンクルス』 J・P・ブレイロック

◇マロリオン物語、タムール記値下げしました。

★古書うさぎ堂の「新入荷」のページをご参照ください。

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『失われた夢の惑星』

 表紙に使うにはちょっと手を抜きすぎているのでは…と思いたくなるような絵があります。

 『失われた夢の惑星』 エルンスト・ヴルチェク・作/松谷健二・訳 ハヤカワ文庫SF355

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 ドイツSFの作品で〈銀河の奇蹟〉シリーズ全4巻中の3巻目です。激したポーズと対照的なちょっとたれ目の美女の脱力した表情。彼女の衣装からきっと未来か異星だと思われるのになんだか1970年代の地球っぽい背景…なんだかじれったい絵ですgawk

 イラストは斉藤寿夫氏。余談ですが、この本のカラー口絵はとってもインパクトがありますflair

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『超革命的中学生集団』

 昔、多くない小遣いからSFやミステリの文庫本を買っていた時期、表紙が漫画だとなんだか値段に合わない買い物になるような気がして、気になっても買わなかったことを覚えています。

 この本もそんな一冊です。

 『超革命的中学生集団』 平井和正・作 ハヤカワ文庫SF144

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 表紙絵・挿画はもちろん永井豪氏。とある本では、この作品がライトノベルの元祖として扱われていました。それくらいマンガと本文との絡みが緊密なのですね。

 内容は宇宙人によって超人的な能力を授けられた中学生達が、自分達の力を地球の平和に役立てようと活躍する…ような感じの話ですが、基本はドタバタなSFです。
 実在の人物(当時のSFファン達。横田順彌氏とかもいます…)がモデルなので、表紙絵のキャラは結構特徴をつかんでいるのではないかと思われます学ランのラインや大きめのボタンが時代を感じさせていいですね。

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『一人で歩いていった猫』

 息の長い本はカバーも変わっていきますが、比較的短いスパンで3通りカバーが出た本がこれですconfident

 『一人で歩いていった猫』 大原まり子・作 ハヤカワ文庫JA149

まずは、初めは加藤直之氏から。これは昭和57年の2刷(初版も昭和57年)からです。

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翼の輝き具合いや下のや背景のよくわからないものがいい感じですcat

 次は米田仁士氏。平成3年の9刷のものです。

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耳がピンと立ったネコがとてもかわいいですね。赤色も透き通っていますcat

 最後は北見隆氏。平成7年の10刷です。

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なんだかタロットカードの絵柄みたいですねcat

以上3点並べましたが、個人的には2番がかわいくて好きです。お話のイメージに近いのは1番目か3番目ですが、1番目は加藤氏にしてはちょっと物足りない感じですcatface

 この作品(短編集)は今は絶版ですが、復刊したらやっぱり番号も新しくなってまた表紙も変わるのでしょうね。ちょっと楽しみです。

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『輝く星々のかなたへ!』

 こどものころは~♪そらをとべたよ~♪

 NHKのアニメ『キャプテン・フューチャー』でSFに目覚めた人も多かったのではないでしょうかtv
 ディスカバリー号にかまぼこやらXウィングやらくっつけた、原作とは似ても似つかぬコメット号がとてもかっこよかったです(その後ハヤカワ文庫でコメット号のデザインを見てがっかりした覚えがあります)。

 『輝く星々のかなたへ!』 エドモンド・ハミルトン・作/野田昌宏・訳 ハヤカワ文庫SF85

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 カバー絵は水野良太郎氏。ハヤカワ文庫の20作はどれも味わい深いです。色々迷いましたが、1発目はいかにも表紙っぽいイラストで。
 全員が(サイモン教授も)カメラ目線で、カーティスの飛びっぷりも素敵です。オットーの体の傾き、グラッグの長い腕、後ろの黄色いマルの微妙な歪み、サイモン教授の厚い唇…全て計算された外しっぷりがたまりません。
 カーティスの活躍はまたご紹介させていただきますhappy01

 キャプテン・フューチャーの表紙アップを記念して、こっそり古書うさぎ堂のキャプテン・フューチャーの値段を下げました。是非ご来店くださいcatface

 余談ですが、NHKアニメ『キャプテン・フューチャー』のDVD出ませんかねぇcddespair

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『宇宙嵐のかなた』

 スペースオペラは美女がつき物ですが、やはりグラマーで露出度の高い衣装は必須条件なようですshine

 『宇宙嵐のかなた』 A・E・ヴァン・ヴォクト・作/浅倉久志・訳 ハヤカワ文庫SF3

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 宇宙に支配圏を広げる地球人と接触を拒む宇宙人との駆け引きといった話ですが、地球軍の「美貌の女艦長」のイラストですね。

 またしても斉藤和明氏の筆による作品です。顔がしっかり外人っぽくてごつく、丸い部分の丸さがマンガチックにデフォルメされていていますね。遠いまなざしが「かなた」って感じでいですね。タイトルがなかったらモデル撮影会みたいですcamera

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『大宇宙の魔女』

 藤子不二雄に続き漫画家シリーズです。70年代のハヤカワSFシリーズには漫画家のイラストがいくつかあります。

『大宇宙の魔女』 C・L・ムーア・作/仁賀克雄・訳 ハヤカワ文庫SF36

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 もちろん松本零士氏の手によるものです。いつものミステリアス美女ですが、すごくSFに合いますね。

 宇宙の渡り鳥(死語?)ノースウェスト・スミスのシリーズで一番有名な「シャンブロウ」が入っている短編集です。「大宇宙の魔女」という邦題はオリジナルのようですが、とてもイラストとあっていて、中身への期待を膨らませてくれます(その為か古書うさぎ堂ではかなりの人気商品です)。

 余談ですが、金星産のお酒「セガー・ウィスキー」というのがよく出てくるのですが、これって何かでパロられていたような気がします。何でしたか…(SFファンの間では有名なのでしょうか…)。

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『突撃!かぶと虫部隊』

タイトルのインパクトもさながら、表紙も強烈な1冊です。

『突撃!かぶと虫部隊』 キース・ローマー・作/岡部宏之・訳 ハヤカワ文庫SF180

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 甲虫型異星人の住む惑星に送られた地球人の外交官が、種族間の紛争に巻き込まれこれを解決してゆくというお話ですが、甲虫型宇宙人というのが、体内に電子回路を持つ機械生命体というところが何ともトンデモな感じです。イラストは失敗作のトランスフォーマーみたいですが、実際本編もそんな感じのものが出ています。
 気になる横顔は紛争解決の為に異性人のコスプレをした主人公(だと信じています…)。

カバー絵・挿画はつぐもとれい氏。昔のマンガチックな挿画も魅力的です。この本は山本弘氏の『トンデモ本?違う!SFだ!RETURNS』(洋泉社)にも取り上げられています。興味のある方は是非どうぞ(余談ですが、姉妹編の『トンデモ本?違う!SFだ!』も面白いです)。

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『惑星ゾルの女王』

 一見、ダサい絵なのですが、実は、内容にかなり忠実な作品です。

 『惑星ゾルの女王』 ニール・R・ジョーンズ・作/野田昌宏・訳 ハヤカワ文庫SF136

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 小さな子供が描くダメなロボットか、典型的な昔のパルプマガジンの表紙ロボみたいな稚拙なデザインですが、イラストレーターのオリジナルではなく、原作の要請通りに描かれています。
 カバー画は藤子不二雄氏。口絵、挿画もかなりしっかり描いてあります。

 死後宇宙に漂っていたところをゾル星人の手によって脳を再生され、機械の箱に移植され不老不死の機械人間になった地球人科学者ジェイムスン教授の活躍を描くシリーズの第3弾。教授(21MM-392という名前です)感情はあっても表情がなく、ポーズも限定されるので、頑張って描けばその分余慶に滑稽に見えます(失礼)。

 改版して表紙を描きなおしてもきっとこのダサさは変わらないでしょう。昔のロボはこんな感じだったのに、今のロボはどこがどうなってガンダムやエヴァみたいなものになっていったのでしょうね…

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『砂漠の惑星』

 垢抜けたSFチックな表紙でお気に入りのカバー画がこれです。

 『砂漠の惑星』 スタニスワフ・レム・作/飯田規和・訳 ハヤカワSF273

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  消息を絶った宇宙船「コンドル号」の捜索の為、砂漠の惑星に降りたった宇宙船「無敵号」。見つかった「コンドル号」は襲われた形跡もなく、闘った跡もない…
 といった謎解きじみたお話で、表紙絵は中原脩氏。どことなくロジャー・ディーンみたいな曲線の構造物がカッコいいですshine

 カバーが変わるとなんだか魅力も減るような気がします。変更された表紙絵は東芳純氏(画像は1989年9刷のもの)。

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 やっぱりカバー絵はワクワクさせるものでなくては catface

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『イブの時代』

ハヤカワJAからのちょいレアな表紙です。

 『イブの時代』 多岐川恭・作 ハヤカワ文庫JA92

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 表紙画は斉藤寿夫氏。

  貧富の差もなく婚姻制度もなくなり犯罪もない、一見楽園のような未来に起こった奇怪な殺人事件。これを解くために、検事が人工冬眠から目覚めさせられ…
 SFというより未来を舞台にしたミステリといったもののです。今回の表紙絵はちょっと激しいですが、ちゃんと内容にあっています(マラカスと黒人というのがわざとらし過ぎますが実はOKなのです)。
 この表紙もちょっとひるみますね…

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『バーサーカー皆殺し軍団』

 『バーサーカー皆殺し軍団』 フレッド・セイバーヘーゲン・作/岡部宏之・訳 ハヤカワSF126

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 タイトルと表紙のギャップがすごい作品としてお気に入りの表紙です。決してファンタジイ作品ではなく、れっきとしたSFです。しかも内容と関係ない絵ではなく、重要なシーンのイラストだというところがまた不思議です。表紙絵・挿画は岩淵慶造氏。
 全ての命あるものを根絶するために存在する殺戮機械軍団と人間との戦いのお話です。しかもすごいことに、この機械軍団は自己を再生産し、しかも変幻自在だということです。さらに時間軸を飛び回って、過去の時代の重要人物を殺しにかかったりと(ターミネーターみたいな話ですね)、細かいことを気にしなければアイディア沢山の素晴らしい作品です。

 もうひとつのカバーは加藤直之氏。シリーズの他の作品とコンセプトを合わせて描きなおしたもののようです(これは1999年9刷)。線の多い謎めいたメカがカッコいいです。挿画も岩淵氏のものよりストーリーをイメージしやすく出来ています。

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『ジャーレンの秘宝』

 キャプテン・ケネディ…FATE機関の隊長
 ジャール・ルーデン…碩学の老教授
 ペンザ・サラトフ…高重力惑星出身者
 ヴィーム・ケミル…カメレオン人間

 4人のチームはどこかフューチャーメンを思い起こさせますね。日本は戦隊は5人ですがアメリカは4人チームが多いです(特攻野郎Aチームとか…)。そんな4人のチームで宇宙の悪と戦うスペースオペラ「キャプテン・ケネディ」シリーズの最終巻がこれです。

『ジャーレンの秘宝』 グレゴリイ・カーン・作/小隅黎・訳 ハヤカワ文庫SF339

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 中心はもちろんキャプテン。堂々としたお鼻に目が釘付けです。ちなみに左右はキャプテンの仲間ではありません。
 表紙絵・挿画は宮武一貴氏(スタジオぬえ)。この本のあとがきも宮武氏で、未完のシリーズ物のイラストを描く苦労話などが語られていてとても面白いです。


 キャプテン・ケネディシリーズの表紙はきっとこれからもご紹介できると思います。傑作揃いです。

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『光子帆船フライング・クラウド』

 ついに大御所登場ですcrown

『光子帆船フライング・クラウド』 A・バートラム・チャンドラー・作/関口幸男・訳 ハヤカワ文庫SF650

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 SFカバー画ではやはりこの人、加藤直之氏ですねshine
 
銀河辺境シリーズ本編のはじめの方は、力が抜けていたりハチャメチャな絵が結構ありましたが(それはそれでとても楽しいのですが)、外伝シリーズのカバー絵はいい感じに想像力を刺激します。これ何なのでしょうね、ホント。
 絶対こんなものは本編に出てこないと思いながらうっかり「ジャケ買い」してしてしまうタイプのカバー絵ですねcatface

 そのうち加藤氏のハチャメチャな、いなたい作品もご紹介しますchick

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本日の新入荷(12/7)

◇古書うさぎ堂 12月7日の新入荷◇

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★ハヤカワ文庫JAを7点入荷しました★

<航空宇宙軍史> 谷甲州
・『惑星CB-8越冬隊』 
・『仮装巡洋艦バシリスク』 
・『星の墓標』 
・『火星鉄道一九』 
・『エリヌス-戒厳令-』 
・『最後の戦闘航海』 
・『巡洋艦サラマンダー』 

★古書うさぎ堂の「新入荷」のページをご参照ください。

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『ドルセイ魂』

SFを読んでいる人は、単なる娯楽小説をよりも幾分難しい本を読んでいるんだという自負があるような気がします。そんなプライドをメタメタにしてくれる表紙があります。

レジカウンターで店員さんの視線を避けたくなるような表紙がこれです。

『ドルセイ魂』 ゴードン・R・ディクスン・作/石田善彦・訳 創元推理文庫SF

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 軍人種族の惑星で成人男性が出払った後、侵略者から星を守る老女当主のお話。表紙はつまり、その女性(長命の種族ということですが90歳代…)。ドルセイ魂…すごい魂ですね。
 フォローではないですが、この本は創元文庫の「イラストレイテッドSF」のシリーズで、本文中にはF・フェルナンデスによるすごくカッコいいイラストが満載です。

 表紙絵は鶴田一郎氏。きっとまたこの方をご紹介させていただくと思います。

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『地球の長い午後』

 名作(一般的な意味で)っぽい表紙というのがなんとなくあるような気がします。自分の中ではこれはかなり名作な表紙です。

『地球の長い午後』 ブライアン・W・オールディス・作/伊藤典夫・訳 ハヤカワ文庫SF224

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 地球が自転をやめ、片面だけを太陽に向けて巡る未来。大地は巨大植物が繁茂し、人類は多様に進化した植物たちの中で危険を避け原始的な生活をしていた…とまあ、一見ファンタジックなのですが、かなりグロテスクでハードな内容です。このネタで倍以上の量の話が書けるほどアイディアが詰まっています。

 原題は「Hothouse」ですが、アメリカのペーパーバック版の題名「The Long Afternoon of Earth」からとってこの邦題になったそうです。表紙と邦題はとても格調高いですが中身は全然まったりしていません。むしろ原題っぽいですね

 カバー絵は角田純男氏。この内容からこの表紙絵というのも(ホントは内容を知らずにタイトルに合わせて描いたのではと疑っていますが…)素晴らしい想像力です。

 本作品は雑誌に分載された5つの中篇をまとめたもので、1962年度ヒューゴー賞(短編部門!)を受賞しています(カバー裏には1961年度と書いてありますが…)。

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『チョコレート戦争』

 古書うさぎ堂では児童文学も扱っています。

 最近の講談社文庫では児童文学の新作を肌色の背で出版していますが、昔はAAナンバーで児童文学を100点以上出版していました。

 『チョコレート戦争』 大石真・作 講談社文庫AA38

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 表紙絵は北田卓史氏。 この絵の単行本でこの作品を読まれた方も多いはず。昔の児童画は味わい深いものが多いですね。”上手さ”よりも”タッチ”や”勢い”が優先されている感じがします。

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『恐怖の研究』

 出版社ごとの文庫のカタログ、文庫解説目録が好きです。

 タダで手に入るこの1冊があれば、広くて深い文庫本の世界を知ることができました。枕元に置いて、寝る前に気になるタイトルの本を探し、その解説文を読みながら、いつか読む日のことを楽しみにしていました。

 そんな昔の愛読書が1冊だけ残っていましたwink

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 この頃のハヤカワSFは400番まで、FTは始まって間もないので21番、他にもあの幻の「ハヤカワ文庫Jr」が載っています。

 表紙はエラリイ・クイーンの作品のもので、確かその前の年もそうでした。

 『恐怖の研究』 エラリイ・クイーン・作/大庭忠男・訳 ハヤカワ・ミステリ文庫HM2-10

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 カバー画は北園克衛氏。当時はクリスティの真鍋氏、クイーンの北園氏あたりの洗練されたデザインから、ハヤカワ・ミステリ文庫に高級感を感じていました。
 内容はホームズが切り裂きジャックを捜査する話を書いたワトスンの手記をエラリイが手に入れて…というものですdrama

 古書うさぎ堂内のハイジの本棚でエラリイ・クイーンのコーナーが新設されました。まだそれほど多くはないですが、素敵な表紙をご覧下さいbook

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